まさに栗の秋 きょうのコラム『時鐘』  北國新聞

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北國新聞 きょうのコラム『時鐘』 2015年9月23日

 和菓子の店先をのぞいたら、栗が大威張りで並んでいた。栗まんじゅう、栗ようかん、栗きんとん。まさに「栗の秋」である

「桃栗3年柿8年」という。わずか3年で実をつけて、いわば一人前になる優等生である。褒められる実があれば、逆もある。「柚子は遅くて13年、梨の大馬鹿18年」とか。そこまで、けなさなくても、と思う。大器晩成という人間もいるではないか

栗飯を食べて、あらためて知った。コボコボの美味が口に入るまで、厄介なイガの始末に始まり、堅い鬼皮をはがし、渋皮をむき、アクを抜くなどの面倒な手間がいる。土地の言葉でいう「世話な」料理である。3年で一人前でも、近ごろの若い者みたいに、やたら手が掛かる。豊かな秋の実りは、人間観察のヒントにもなる

実りの秋を目掛けた災害の報が相次ぐ。自然を相手の営みの難儀とありがたさをあらためて知る。高値が続く野菜もある。やりくりは大変だが、被災者の労苦を思えば、雨漏りほどの痛みでしかあるまい

秋に再会する恵みを、ことしは心していただくことにする。「栗飯の四椀と書きし日記かな 子規」。


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